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デジタル社会は立憲主義の夢を見るか?

第9回 デジタル民主主義の諸相

デジタル社会に伴う地殻変動は「政治」の領域にも及んでいる。とりわけ、注視すべきなのは、民主主義についてであろう。今回の主題ともなる「デジタル民主主義」を人口に膾炙させた一人でもある台湾のプログラマー兼政治家オードリー・タンの動向は日本でも広く注目を集めている。果たして、デジタル立憲主義を考える上で、デジタル民主主義はどのような役割を務めることになるのか? まずはデジタル民主主義の検討から行う。(編集部)

 第9回と第10回では、デジタル民主主義を取り上げる。第9回では、デジタル民主主義がどのような概念として用いられているのかを紹介・整理し、第10回では、デジタル民主主義とデジタル立憲主義の関係について検討することにしたい。

民主主義という概念

 第4回第5回で扱った立憲主義と同じく、民主主義もまた本質的に論争的な概念の代表格であり、その歴史は古代アテナイにまで遡る[1]

 民主主義は、“Democracy”の翻訳であるが、“Democracy”の多義性を反映して、その訳出についても論者のこだわりが反映される傾向にある。最も一般的な訳語は「民主主義」だが、「主義」と訳出されることによって社会主義や保守主義のような思想であると捉えられるのを嫌う場合がある。そのため、政治のあり方や政治制度に着目したい場合、「民主政治」や「民主制」と訳出されることもある。また、様々な側面を包摂する場合や、ある側面を強調しない場合には、片仮名で「デモクラシー」とされることも多い。本稿では、原則として日本において最も定着している「民主主義」を用いるが、民主主義という言葉がそもそも多義的であることには注意が必要である。

デジタル民主主義のさまざまな使われ方

 デジタル民主主義もまた一義的に定義するのが困難である。日本において、デジタル民主主義という言葉を広めた立役者として、チームみらいを挙げることができる。2026年2月に行われた衆院選挙で、高市旋風とともに注目を集めたチームみらいはデジタル民主主義をマニュフェストに掲げていた。その党首である安野貴博は、デジタル民主主義について次のように説明している。

 

ウインクあいちで演説する安野貴博(photo by 依田奏) 

デジタル民主主義は、テクノロジーの力によって、直接的で民主的な参加を拡大し、多様性のある社会への政治プロセスを実現しようという考え方です[2]

 チームみらいのデジタル民主主義のビジョンについては、後述するが、ここでは、政治への直接的な参加(選挙で選出した代表者を通しての間接的な参加ではない直接的な参加のあり方)をテクノロジーによって実現することがデジタル民主主義としてイメージされている[3]

 また、政治学者の谷口将紀と憲法学者の宍戸常寿による『デジタル・デモクラシーがやってくる!』では、政治的コミュニケーション、政治・選挙運動、熟議、選挙制度、電子議会といったテーマが扱われている。ここでは、デジタル技術が民主政治に与える影響を包括的に検討する試みの表題として「デジタル・デモクラシー」が用いられているといえるだろう[4]

 他方、『デジタル・デモクラシー』の著者である内田聖子は、次のように述べている。

本書が意味する「デジタル・デモクラシー」は、力(パワー)を持つビッグ・テックと彼らが構築した搾取的で不公正な経済モデルに対し、人々があらゆる手法やアイデア、運動を通じて抵抗し、民主的で倫理的な対案を生み出そうとしている、まさにそのプロセスを指す[5]

 ここでは、民主政治とデジタル技術の関係や、デジタル技術による政治プロセスの改良ではなく、強大な力を持つに至ったビッグ・テック企業に市民社会が民主的な方法で対抗するプロセスをデジタル民主主義と呼んでいる。やや文脈が異なり、デジタル民主主義として自覚的に議論されているわけでもないが、「民主的価値」の下にデジタル政策を進めるべきであるという主張も[6]、内田の言うデジタル民主主義観と近いものといえるだろう[7]

 以上、日本において注目を集めたデジタル民主主義に関する議論の一部を紹介するに留まるが、そこで扱われている論点は、①民主主義に対してデジタル技術が与える正負の影響の分析、②ビッグ・テック企業及びデジタル技術に関する国の政策・制度を民主主義の観点から統制する試み、に大きく分けることができる。さらに、①については、民主主義のどの部分にフォーカスするかによって、議論は細分化されるし、②についても、統制の対象が私企業[8]か国家かで議論の仕方が変わりうる。このように、デジタル民主主義もまた、デジタル立憲主義と同じく、その傘のもとにさまざまな論点を包摂するアンブレラタームであるといえる。

民主主義への影響を測る視点

 ②の論点は、デジタル民主主義とデジタル立憲主義との関係整理にも深くかかわるため、次回取り上げることにして、今回は、主に①の論点をとりあげる。

 ①の論点を考える場合、デジタル技術によって正負の影響を受ける民主主義をそもそもどのようなものと想定するのか、という難問がある。もちろん、各論者が想定する民主主義構想において、デジタル技術の正負の影響が議論されたとしても、読者や聴衆はそこからさまざまな示唆を得ることができるだろう。とはいえ、民主主義についての最低限の認識枠組みを共有したうえで、デジタル技術の影響を議論できることが望ましいと思われる。そこで、筆者は、“デモクラシーのミニマムコア”という概念を設定し、ミニマムコアへの影響の程度という視点から整理することが有益ではないかと考えている[9]

 ここでいう“デモクラシーのミニマムコア”とは、グローバルに展開される比較憲法学の世界的な権威の一人である、ロザリンド・ディクソンを中心に主張されている概念である[10]。この議論について乱暴を承知でごく簡単にまとめると次のようなものになる[11]

(ア)ミニマムコアは、競争的民主主義を維持するために必要な民主的な憲法の要素で構成される。

(イ)競争的民主主義の構想は、普通選挙や秘密投票の原則が確保された、定期的に実施される自由かつ公正な選挙において、公職への就任をめぐってライバルとなる政治エリートたちが競争し、有権者が威嚇や嫌がらせを受けることなく投票を行うことで、統治者の最終的な決定権を有する、とする構想であると敷衍できる。

(ウ)民主主義構想にはさまざまなものがありうるが、競争的民主主義の構想は、他のより厚い民主主義構想――熟議民主主義、参加民主主義、立憲民主主義など――のいずれにおいても、必要条件として合意可能な薄い民主主義構想と位置づけることができる。

(エ)ミニマムコアは、(1)自由で公正な多党制の選挙(2)政治的権利と自由、(3)権力に対する抑制と均衡のシステム、という3つの要素から構成される。

(オ)これらは、様々な民主主義理論に共通し、かつ、民主主義体制の世界各国の憲法に共通する必要不可欠な一連の制度・手続・権利であるが、ミニマムコアを憲法でどのような仕方で規定・具体化するかは各国憲法によって異なりうる。

 ディクソンらがミニマムコアの概念を提唱した際の最初の問題意識は、憲法的成功[12]を評価する際には、憲法に規定される“デモクラシーのミニマムコア”の耐久性を指標の一つとすべきではないか、というものであった[13]。デジタル民主主義の議論にこの視点を持ち込めば、デジタル技術がミニマムコアに与える影響はそれ以外の側面に与える影響よりも早急かつ重点的に議論すべきといえるように思われる(当然ながら、ミニマムコアに直接の影響を与えないからといって、そのような議論をする意義がない、というものではない)。すなわち、デジタル技術がミニマムコアにネガティブな影響を与えるのであれば、その影響を抑止するための議論や制度が必要となるだろう。また、ミニマムコアにポジティブ影響を与えたり、ミニマムコアへの攻撃を防ぐことに関わるとすれば、そのような仕組みの導入は優先的に検討するべきだといえる。

民主主義をアップデートする試み

 デジタル技術が民主主義――とりわけそのミニマムコア――に与えるネガティブな影響については、筆者自身によるものも含めすでに多くの研究がある[14]。たとえば、政治的コミュニケーションに関して、政治的マイクロ・ターゲティング[15]を含む政党などによる選挙運動のデジタル化[16]、偽誤情報[17]やデジタル影響工作[18]といった論点が議論されているし、選挙制度そのものとデジタル技術の関係[19]も議論がなされている。

 そこで、ここでは、チームみらいが主張しているような、民主主義のアップデートという試み――デジタル技術が民主主義に与えるポジティブな影響――がどのような位置づけになるのかについて、若干の検討を行うことにしたい。

 改めて、チームみらいが掲げた「デジタル民主主義」とはどのようなものだったかを確認しておこう。チームみらいの政策マニュフェスト2026によれば、デジタル民主主義のビジョンは次のようなものである。

今の投票による間接民主主義は数百年前に出来上がった制度です。当時はインターネットもSNSもAIもありませんでした。SNSの普及などにより、誰もが気軽に意見を発信できるようになった現代において、選挙で代表者を選ぶ方法に加え、従来の陳情のような高いハードルを感じることなく、より多様な民意を個別の政策課題にきめ細かく反映できる仕組みが求められています。今のデジタル技術を使うことによって、より多くの人がより深いレベルでコラボレーションをすることが出来るようになると考えています[20]

 ここでは、まず、代表民主制ないし間接民主主義(代表者を選挙によって選出する制度)では、主要な民意の反映ルートが選挙であり、選挙以外のルートとしては、陳情や請願[21]といったハードルの高いものに限定されているという認識が示されている。その上で、デジタル技術を活用することで、多様な民意を個別の政策課題にきめ細かく反映するための仕組みを導入するべきだという主張がなされている。その具体的な仕組みについては、チームみらいのウェブサイトでわかりやすく紹介されている。

 また、日本においても、株式会社PoliPoliが政策プラットフォームを提供している。代表の伊藤和真氏によれば、PoliPoliが提供するのは「政策形成の初期段階から、国民、政治家、専門家等が議論できる仕組み」であり、「これまで国会議員約200人、中央省庁の3分の1による利用実績」がある。その具体例として、「「生理の貧困」の議論では、Webサイト「PoliPoli」の政策リクエスト機能で多くの当事者・有識者から課題が投稿され、それが国会議員につながり、最終的に予算措置」につながった[22]

 こうした取り組みは、ミニマムコアに直接影響を与えるものとは言えないと思われるが、それでもなお、非常に重要な価値がある。ディクソンによれば、反民主的な勢力等によって世界中でミニマムコアへ攻撃が行われており、国民がこれを支持する場合もあるが、こうした、ミニマムコアへの攻撃を加速させる要因のひとつとして立法府の応答性の低下が挙げられる[23]。これは、時間的制約、将来予測の限界、認識的多様性の限界、議会内での党派的対立、ロビイングの影響などによって、立法府が権利侵害を含む社会問題に応答しない、あるいは、応答が遅れることを指す。市民が容易にアクセス可能な政策プラットフォームなどの仕組みが適切に設計されて導入されれば、立法府が今何に対応するべきなのか――対応すべきと国民が考えているか――を効果的に可視化することができる。すなわち、ミニマムコアへの攻撃を未然に予防するという意味で重要な取り組みであるといえる。同様に、デジタル技術を用いて、政府の透明性を高める試みも重要な意義があるといえよう。

 ところで、こうした主張は、基本的に、現在の間接民主主義をラディカルに変更するものではなく、間接民主主義と併存させて、間接民主主義の弱点を補おうとするものと考えられる[24]

 他方、現在の間接民主主義の仕組みを抜本的に変更することを構想するデジタル民主主義のアイデアも存在する。その代表例は、成田悠輔の無意識データ民主主義の構想であろう[25]。この構想については、憲法学者の瑞慶山広大が次のように的確に要約している。

無意識データ民主主義では、政策立案をエビデンスに基づいて行うだけでなく、その政策によって達成しようとする目的・価値の決定もまたエビデンスに基づいて行われる。人々が選挙という一回的なイベントで政策パッケージを選ぶという現在の民主主義のあり方は限界を迎えている。そこで、選挙以外にも会議室や街中の日常会話、インターネット上での書き込み等をもデータとして収集し、民意を多角的に捉える必要がある。そのような民意データを、公正に設計されたアルゴリズムによって分析することにより、エビデンスに基づいて真の民意に近似することができる。そのような近似された民意に基づいて政策を実行すれば、人々は政治や選挙を意識せずとも民主主義は達成され、政策立案・実行者としての政治家はもはや不要となる[26]

 ここでは、最終的に政治家は不要とされている。民主主義が本質的に論争的な概念であることを踏まえれば、こうした形も民主主義のありうる構想といえる可能性はある。しかし、上述したミニマムコアの概念は、少なくとも、現状の民主主義理論・民主的憲法のいずれにとって最小限の基盤になる要素で構成されるものである。そうであれば、民主主義のアップデートのために、ミニマムコアの構成要素を否定する可能性がある場合、その提案がどれほどの効用と副作用をもたらすかは極めて慎重に検討するべきであろう。ミニマムコアを永久に不変のものと考えるべきとまでは言えないが、安易に乗り越えられるものと想定すべきではないだろう。

***

 以上、今回は、デジタル民主主義という概念のもとで、どのような議論がなされているかを整理した。本稿の議論をまとめると、デジタル民主主義もまたアンブレラタームであり、様々な論点を射程に収めているが、差し当たり、現在の民主的国家においてデジタル民主主義を考えるのであれば、”デモクラシーのミニマムコア“という概念がアンカーになるのではないか、ということになる。もっとも、既に本連載の中でも触れているが、立憲主義と民主主義の相互関係をどのように位置づけるかは、憲法学にとっても大きなテーマである。この難問は次回扱う。

◆第9回 終わり


[1] 民主主義をめぐる諸構想について、本稿では踏み込まないが、差し当たり、山本圭『現代民主主義――指導者論から熟議、ポピュリズムまで』(中公新書、2021年)、田村哲樹=山本圭編『現代民主主義理論ハンドブック』(ナカニシヤ出版、2026年)、山口晃人『エレクトクラシー・エピストクラシー・ロトクラシー――代表制デモクラシーを再考する』(名古屋大学出版会、2025年)などを参照。

[2] 安野貴博『1%の革命――ビジネス・暮らし・民主主義をアップデートする未来戦略』(文藝春秋、2025年)230頁。

[3] なお、チームみらいや安野のデジタル民主主義観は、台湾の元デジタル担当大臣であるオードリー・タンからの影響を強く受けたものであると思われる。オードリー・タンの考え方についてはさまざまな文献が公刊されているが、コンパクトにまとまっているものとして、大野和基(インタビュー・編)『オードリー・タンが語るデジタル民主主義』(NHK出版新書、2022年)。

[4] 谷口将紀=宍戸常寿『デジタル・デモクラシーがやってくる!――AIが私たちの社会を変えるんだったら、政治もそのままってわけにはいかないんじゃない?』(中央公論新社、2020年)。同書のあとがきでは、「本書が、第四次産業革命が民主政治に与える影響についての情報提供となり、デジタル・デモクラシーの議論の出版点となることを願っています」とも述べられている(251頁〔谷口〕)。

[5] 内田聖子『デジタル・デモクラシー――ビッグ・テックを包囲するグローバル市民社会』(地平社、2024年)6頁。

[6] 2023年のG7広島サミットの首脳コミュニケでは、「人工知能(AI)、メタバースなどの没入型技術、量子情報科学技術、その他の新興技術などの分野において、デジタル経済のガバナンスは、我々が共有する民主的価値に沿って更新し続けられるべきである」とされた。関連して、宍戸常寿「憲法と社会のデジタル化についての覚書――「デジタル」か「反デジタル」かを超えて」世界2023.11(2023年)159-160頁も参照。

[7] もっとも、そこでいう「民主的価値」とは何かは問題となる。たとえば、2023年のG7広島サミットの首脳コミュニケでは、「公正性、説明責任、透明性、安全性、オンラインでのハラスメント、ヘイト、虐待からの保護、プライバシー及び人権の尊重、基本的自由、そして個人データの保護」が「我々の共有する民主的価値」に含まれるとされた。

[8] PF企業の統制原理として「デジタル立憲デモクラシー」を主張する、松尾隆佑「プラットフォーム企業の権力と正統性――デジタル立憲デモクラシーへ」年報政治学2024年度2号(2024年)189頁などを参照。

[9] 山本健人「デモクラシーのミニマムコアとデジタル社会」水谷瑛嗣郎編『情報法講座 第5巻 表現の自由』(法律文化社、近刊予定)。

[10] Rosalind Dixon & David Landau, “Competitive Democracy and the Constitutional Minimum Core”, in Assessing Constitutional Performance Tom Ginsburg & Aziz Huq eds., (Cambridge University Press, 2016) 268; Rosalind Dixon, Responsive Judicial Review (Oxford University Press, 2023), ch 3.

[11] 詳しくは、山本健人「デモクラシーのミニマムコアを想定することは憲法学にとって有益か?」法律時報98巻1号(2026年)100頁以下を参照。なお、同拙稿では、ディクソンらの提案を重要なものと受け止めつつも、ミニマムコアの3要素については再構成すべきではないかという提案を行っている。すなわち、(1)競争的な選挙制度の確保、(2)政治的権利・自由の保障、(3)競争的な選挙への参加の保障、という3要素へ再構成である。その理由をごく簡単にまとめると、①ディクソンの挙げる第3の要素である権力に対する抑制と均衡のシステムは、選挙の競争性を確保するための前提条件の一つであって、ミニマムコアそのものではない、②ディクソンは、第一の要素の中に普通選挙を入れ込んでいるが、「参加」あるいは「包摂」の要素が希薄でも「競争的な選挙」は存在しえるため、競争的な選挙への参加は別の要素として区別しておくことが適当である、ということになる。

[12] 比較憲法学者のトム・ギンズバーグらは、成文憲法の耐久性は、実際には一人当たりのGDP、デモクラシー、政治的安定性と正の相関関係にあり、危機的傾向とは(わずかながら)負の相関関係にあり、社会・政治の安定化に寄与することを明らかにし、成文憲法の耐久性を憲法が成功していると評価する指標とした。Tom Ginsburg, James Melton and Zachary Elkins, The Endurance of National Constitutions (Cambridge University Press, 2009). これに対して、ディクソンらは、成文憲法の耐久性を成功と見なせるのは出発点に依存するのではないかと考えた。たとえば、権威主義的な憲法が長く続いたとしても、それを憲法の成功と評価できなのではないか、と考えるのである。

[13] なお、ここで議論しているミニマムコアは、民主主義のミニマムコアではなく、エレクトクラシーのミニマムコアと位置づけるべきかもしれない。政治哲学における概念整理の深化にともなって憲法学の用語法もアップデートされることが望ましいと思われるが、この点に本稿で踏み込む余裕はない。山口・前掲注1)を参照。

[14] 筆者自身の見取り図を示したものとしては、拙稿・前掲注9)。また、ネガティブな影響に限らず包括的な検討を行っているものとして、谷口=宍戸・前掲注4)。

[15] 山本龍彦「デジタル化と憲法」PHP「憲法」研究会編『憲法論3.0』(2022年4月)60頁など。

[16] 工藤郁子「AIと選挙制度」山本龍彦編『AIと憲法』(日本経済新聞出版社、2018年)325頁以下、山本健人「デジタル技術による政治的コミュニケーションの変容と憲法」比較憲法研究36号(2024年)31頁以下。

[17] 工藤・同上、山本健人「偽誤情報対策と表現の自由論」ジュリスト1603号(2024年)26頁以下など。

[18] 久古聡美「デジタル影響工作をめぐる動向と対応」国立国会図書館調査及び立法考査局編『デジタル時代の技術と社会(科学技術に関する調査プロジェクト 2023 報告書)』(2024年)29頁以下、川口貴久「外国政府による選挙干渉とディスインフォメーション」土屋大洋=川口貴久編『ハックされる民主主義』(千倉書房、2022年)13頁以下。

[19] 水谷瑛嗣郎「AIと民主主義」山本龍彦編『AIと憲法』(日本経済新聞出版社、2018年)285頁以下、岡田美保「ロシアにおけるデジタル権威主義」大澤傑編『デジタル権威主義』(芙蓉書房出版、2024年)64頁など。

[20] チームみらい「政策マニュフェスト2026」

[21] 請願のデジタル化について論じるものとして、斉藤拓実「デジタル社会の請願権」法学館憲法研究所Law Journal30・31号(2024年)66頁以下などがある。

[22] 城山英明=小川亮=山本健人=宍戸常寿=伊藤和真=小松正人=古屋晶子(聞き手・司会 伊藤宏比古=藤本翔一)「デジタルを活用した民主的な政策立案を考える AI時代における政策立案プロセスとは」wisdom(2026年3月)〔伊藤和真発言〕。

[23] Dixon, supra note 10 ch3を参照。

[24] たとえば、オードリー・タンは、「代議制民主主義を強化するためにデジタル民主主義を発明したのではなく、両者は補完し合える関係にある」としている。大野・前掲注2)24頁。

[25] 成田悠輔『22世紀の民主主義』(SB新書、2022年)、この構想は、東浩紀『一般意志2.0』(講談社、2015年)で示された構想の延長線上にあるといえるだろう。また、無意識データ民主主義への筆者の考えは、山本健人「法・世論・アルゴクラシー――法における世論と統治における世論」法学セミナー845号(2025年)41頁以下も参照。

[26] 瑞慶山広大「行政立憲主義とデモクラシーの関係についてのスケッチ」駒村圭吾編『プラットフォームとデモクラシー』(慶應義塾大学出版会、2024年)166-167頁。

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著者略歴

  1. 山本 健人(やまもと・けんと)

    現職:関西大学社会学部メディア専攻准教授/慶應義塾大学KGRI訪問准教授/東京大学みらいビジョン研究センター客員研究員
    慶應義塾大学大学院 法学研究科 公法学専攻後期博士課程単位取得退学、博士(法学)。
    主著に、『承認と対話の憲法理論――法の下の宗教的多様性』(ナカニシヤ出版、2025年)、共編著として『合理的配慮と憲法――日韓欧米各国における差別の緩和・解消の試み』(ナカニシヤ出版、2025年)など。また主な論文に「デジタル立憲主義と憲法学」(情報法制研究、2023年)、「デジタル立憲主義と情報空間の立憲化」(法律時報、2024年)、「世論・法・アルゴクラシー――法における世論と統治における世論」(法学セミナー、2025年)、「情報空間への国家介入の見取り図――DPF規制に向けた放送規制の根拠論とその応用可能性」(法学研究、2026年)など。

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