急速な勢いで成長を遂げたGAFAM(Google、Apple、Facebook(現:Meta)、Amazon、Microsoft)を中心とするデジタルプラットフォーム(DPF)企業。DPF企業が提供するテクノロジーやサービスは、今や私たちの生活のインフラとなり絶大な影響力をもっています。その恩恵は計り知れませんが、他方で、デジタル空間のルールを決定することのできるDPF企業は、国家に匹敵する「権力」を有するに至っています。
民間企業であるDPFの権力が恣意的に行使可能であり、ユーザーの基本的権利等に対して多大な影響を与えている/与える可能性があるとすれば、私たちは、この新しい権力機構に対して何らかの制約を課す必要はないでしょうか? あるいは、デジタル空間において、以前として強力な権力を有している(近代)国家――。国家とDPF企業という2つの権力主体の関係をどのように理解するべきなのでしょうか。
私たちの社会は既にデジタル社会へと大きく様変わりし、これからも急速かつダイナミックな変化が予想される中で、デジタル社会における統治の基本原理をどのようなものにすべきかを考え直す時期にきているのではないでしょうか。それに呼応するように、今、ヨーロッパを中心にして、国家権力のコントロールに貢献してきた立憲主義をバージョンアップさせる「デジタル立憲主義」が学際的に議論されています。
この連載では、デジタル空間の基本原理として、「デジタル立憲主義」の持つ理論的可能性を中心に来たるべきデジタル社会の様々な規範理論の方向性ついて検証していきます。
ご執筆頂くのは、憲法学がご専門の山本健人先生(北九州市立大)です。(明石書店・編集部)
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